もう推しとは言えない *番外編更新中
第1章 推しと彼氏
あ、そっか、睦人…。
すっかり忘れてた。
「でも、睦人は忙しいから、やっぱりポチ…」
「あ?お前、俺が忙しくねぇと言いたいのか?」
「わー、怖い〜。睨まないでよ。せっかく可愛いのに台無しだよ?」
「可愛くねーよ。お前の方が可愛いだろ、バカっぽくて。」
「あ、ひどい!」
少しドキッとしかけた…。
でも、バカっぽくて、の一言は余計極まりないけど、推しに可愛いって言ってもらえる日が来るとは…!
これは、神様からのご褒美かもしれない。
「…まだ少し早いし、俺も久しぶりに投げて良いか?」
「あ、うん。私…キャッチしようか?というか、キャッチボールしようよ!」
「あぁ、分かった。俺、加減しねーけどな。」
「望むとこだよ!」
何回か、睦人とキャッチボールしたことあるし。
ポチも、中高生のときは野球部だったらしいけど…今じゃその面影もないよなぁ。
野球部の顧問って知った時は、かなり驚いたし、経験者ってのもかなり驚きだった。
「…あと、吉岡…お前、スカートのままやるのか?」
「え、ダメ?あ、見えちゃうから?変態ー!」
「バカが…心配した俺がバカだったな、悪ぃ。」