もう推しとは言えない *番外編更新中
第6章 助けて…
今いるこのスーパーの名前と、簡単な住所を伝える。
ポチは…このまま電話繋げてろ、と言って無言になった。
きっと…ここに、向かってきてくれてるんだ…。
多分、ポチには聞こえてないだろうけど…
「おい、早く出てこいよっ!隠れてんのは分かってんだぞっ!」
(っ…怖い、)
そしてまだ…与えられる刺激。
声が何度も何度も…我慢しようとしても、出てしまう。
それが、電話越しに…ポチに聞かれてるかもしれないと思うと、恥ずかしくて仕方なかった。
しばらくして…電話口から、ポチの声がする。
『…吉岡、今スーパーに着いた。さすがに俺、女子トイレには入れねぇから…出てきてくれね?
大丈夫…今、トイレの前にいるんだけど、誰もいないから。…多目的トイレの前にいるよ、俺は。』
多目的トイレ…だったら、男女関係ないもんね…。
誰もいないよ、っていうポチの言葉を信じて、私は…一旦スカートを履き直して、女子トイレを出る。
「っ…ポチっ…!」
「吉岡。…怖かったな、もう大丈夫だ。」
「ご、めんね…急に、」
「謝んな。…とりあえず、お前さ…」
少し私から目を逸らして…言いにくそうにポチは言う。