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もう推しとは言えない *番外編更新中

第7章 溺れかけ



「あ…そういえばね、ポチ。」


車に乗り込んでから…沈黙が耐えきれなくなったように、吉岡は俺に話しかける。
何だ?と視線は前にやったまま…返事だけする。


「模試の数学の解説読んだら…分かんないとこあったから、あとで教えてくれる…?」

「…そこの写真と、具体的に分かんねー内容、メールで送ってくれれば返信するよ。絶対放ったらかしにするな。」

「うん。…でも、できれば…またポチとこうして会った状態で教えてもらいたいなぁって…。」


文面だけで理解できるか不安、と吉岡。
まぁ、そこに関しては俺も同意…。


「…お盆休みだったら、基本的に休みだ。十一日とか、十三とか…」

「じゃあ、十一日…ダメ?」

「いや、良いよ。…じゃあ、この前花火見に行った時みたいにお前ん家迎えに行くから。お昼辺りでいいか?」

「うん、ありがと。すごい助かる!」


ポチに教えてもらえるの、嬉しいなぁ、と…まさに推しに対する言葉。
…いつになったら、お前は俺を男としてみてくれるのか。

…さっき、俺の指で乱れていたお前はどこにいったんだよ?と少し悔しくなる。


「お前ん家、ここだっけ?…今後は、買い物行く時とかも気をつけろよ。」

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