もう推しとは言えない *番外編更新中
第8章 自覚した気持ち
「犬扱いしてくるお前に言われたかねーよ!…ってこんな騒いでたら、近所迷惑だな。まぁ、熱いしさ、乗ったら?冷房利かしといてるから。」
「…あ、ありがと。ポチ、今日私服なんだね?」
「このクソ暑い時に誰がスーツ着るか。…何、そんな似合ってねぇか?俺。」
「ううん、相変わらず可愛くて似合ってる。」
(嘘…本当は、すごく…)
悔しいくらい、カッコイイ。
…ポチのくせに。
「…あー、もう何でもいいわ。吉岡、お前さ、ハー〇ンダッツは好きか?」
「好き!え、何、奢ってくれるの?」
「奢るっつーか…昨日さ、親が大量に俺ん家に持ってきて。一人じゃ食いきれないから、お前も食ってよ。ミニサイズのやつだから、二つくらい食ってけ。」
母さん、俺が一人暮らしってこと忘れてんのかな、と楽しそうに笑ってるポチ。
…両親と仲良いのかなぁ?そんな感じがする。
会ってみたいなぁ…可愛いんだろうな、きっと。
って、何考えてんの、私…ポチの両親に会えるわけないじゃん。ただの生徒、なんだから。
「二つかぁ…そしたら私、クッキー&バニラとストロベリーがいいな。ポチは何が好きなの?」
「俺もその二つが一番好きかな。」