もう推しとは言えない *番外編更新中
第8章 自覚した気持ち
「さて、吉岡…。分かんないとこを教えろ。」
_ポチの家に上がってから、まずリビング?のテーブル席に座る。
ポチと向かい合ってる感じで。
テーブルに頬杖つきながら、ポチは私を見つめた。
「え、っと…ここ。」
「あ〜…いかにもお前が苦手そうなとこだな。」
「うん…苦手というか、嫌い。」
「好き嫌いは聞いてねーよ。」
好きだろうが嫌いだろうが、解かなきゃなんねぇんだから、ともっともなことを言う。
…ポチの髪、サラサラ…ズルい。
目が大きくてタレ目な感じのところも、可愛くてズルい。
そのくせして…男っぽい表情とかも急に見せてくるから、ドキッとしてしまう。
「…見つめすぎだろ、バカ。何、俺に見惚れてんの?」
「…可愛いなぁ、って思って見てた。推しを眺めたいのは当然じゃない?」
「残念だな。本当の俺の魅力に気付かねぇなんて。」
冗談っぽく言って笑ったポチは、また真剣な顔になって…解説と問題を交互に目に通す。
そして、すぐに…私の方に身を乗り出した。
「…接弦定理と、方べきの定理覚えてる?」
「うん。」
「まずはそれをここに使って…で、(1)が解決するだろ?」