もう推しとは言えない *番外編更新中
第9章 マッサージ
「やっぱ気分が上がってるからじゃねぇ?」
「そうかなぁ〜。」
「あぁ。」
…きっと、ポチと食べてるから。
それは分かってるけど…言わない、言えない。
その後も、他愛ない雑談をしながら、焼きそばを食べ進めて…。
食べ追えるのとほぼ同時に、急に雨が降り出した。
「ヤバっ…雨だ、雨宿りするぞ。」
「うんっ…」
とりあえず、屋根があるとこに避難するけれど…全く止む気配がないし、一応ニュースを確認すると、この雨は明日までずっと降り続けるらしい。
「…車置いてきたんだよな、悪ぃ…駅まで歩けるか?」
「それよりも…終電、間に合う?」
「あ〜…もっと先に確認すりゃ良かったな、悪い。」
「ううん…私が確認するって作業をもっと先にしなかったから…。」
ポチとの空間が、居心地良くて…つい、怠ってた。
もう、時刻は十一時近い…終電なんてもうないだろう。
「…仕方ねぇ、どっかホテルでも探すか。」
「うん…ごめんね、家から遠くのとこで。」
「良いよ、んなの。とりあえず探すぞ。」
少し濡れっけど我慢しろ、とポチは私の手を強く握る。
そうして…しばらく歩いて、やっと見つけたホテル。