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イドリスの物語

第3章 イドリスの城

ジャクソンの代わりとなる師を探すことは後回しにする他ないな。だが出兵予定であった地の軍隊長にはなんと言えば良いのか。こちらも約束だ。必ず守りたい。
期間を少しずらしてもらうか。またアーサー伯爵の城の問題が1日で片付けられるとは思わない。
また相手はその地、最高と言われている軍人だ。
経験も豊富で城のことを全く知らない自分にはとても適うわけがない。

「くそっ、どうしたら良いのだ。まだまだ足りないことだらけだ」苛立つばかりのイドリス。
このままではろくな作戦も練られない。
集中できず、決断も出来ずにいた。
そこへ(コンコン)っとイドリスの部屋のドアがなった。
「あのー今後のことを話したいのですが…」
訪ねてきたのはジョシュアだった。
「あぁ、ちょうどいい入ってくれ」とイドリスは自室へ招き入れた。
「あいつ寝ちゃいまして…」と苦笑いのジョシュア。

「無理もないさ、難しい戦いから二日かけてこの城へ来たんだ。休めばいいさ。ところで何か考えがあるのか?」

「はい、俺らは行く所も特に無いので暫くここに置いてくれませんか?もちろん次の戦争もまた参加します!!
それまでは自分でになっちゃいますけど…訓練もします!」
その時閃いた。ひょっとしたらいい経験になるのではないか。若く優秀な騎士をアーサー伯爵は望んでいるとの事。
難しい選択だが出来るだけ若く優秀な騎士を集めて出陣は
出来なくはない。
幸い、経験は問わない。ましてや報酬が魅力的であった。
次に行く予定の戦争よりはかに報酬は良い。
「相談だが。休んでくれと言っておきながら悪いと思う。出陣要請がきている。急を要するとの事だ。
非常に興味が湧いてね。君の意見も聞きたい。」
人となりをジョシュアに話した。
ジョシュアもその城の噂を耳にした事があった。
一瞬、背筋がゾクッとした。ましてやランカスター出身の ジョシュアにとって想像もつかない様な奥地だ。
「難しい質問で申し訳ない。」イドリスが言うと
「俺はとても興味があります、きっとアルトも同じでしょう。俺らは帰る場所もないですし夢もありません。ですがあなたと戦ってようやくあなたについて行く、英雄にあなたがなるところを見たいと言う目標の様なものが出来ました。」

それを聞いたイドリスはなんとも言えない気持ちになった。
イドリスも明確な目標はなく金のためだけに動いてきた。





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