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そしてイドリスは聞いた。

「アーサー伯爵は後どのくらい持ちそうなのだ？」

「なんとも申し上げられません。むしろもう手中に堕ちているのでは、そんな気もしてなりません。」

「可能性はないわけじゃないな。実際、城に着くまでかかるのだ？」イドリスは続けた。

「私は丸七日かかりました。流石のあなた様もあの渓谷を通る際は時間がかかるはずです。」

「では今回の戦争で受け取った最高の軍馬を用意しよう。」

そこへジョシュアがやってきた。「若く優秀な騎士を集めました。志願者も含めて３５名ほど集まりました。」

「よし、皆に会おう。状況と戦術について話そう。中庭に集まるように呼びかけてくれ。すぐに行く。」
イドリスがジョシュアに伝えるとジョシュアは言われた通り
動いた。そしてベンと名乗る男も一緒にやってきた。

「皆、集まってくれて感謝する。前回の戦が終わったばかりで休んでもらいたいところではあるが、ある事情で皆の力を借りたい。俺の父の古くからの友人となる伯爵が内乱に巻き込まれている。応援要請がきた。応えようと思う。また報酬は弾む。参加条件は若く優秀な騎士。経験は問わない。
明後日の明け方に出発する。以上」

ジョシュアは質問がある者は？ときいた。
小さく手を挙げる少年。「あの…その伯爵とは暴君の噂があるアーサー様でしょうか？」
その通りだ。そこでイドリスは素直に答えた。
「その通りだ。また無理に来いとは言わない。行きたくないならば今のうちに帰ってくれ。」
だが誰も帰らない。少々驚くイドリス。

続け様に「かつては英雄であったアーサー伯爵に会えるのですね‼︎ぜひお供します。」そういうと皆雑談しながらそれぞれの準備に取りかかり始めた。

夜になり、アルトが目を覚ますとジョシュアより起きた事を聞いた。アルトは理解できなかった。少し眠っている間に何が起きたんだ？そして少しばかしジョシュアが頼もしくも見えた。

いよいよ出発の日を迎えた。

先頭にはイドリス。一番の血統を誇る軍馬に跨る。
ジョシュアとアルトそして志願した若い騎士たちが続く。
ジョシュアの横にベンがいた。イドリス様こちらです。
「さあ、行くぞ。アーサー城を奪還しに」
イドリスの掛け声で若い騎士たちは歩き出した。