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翌朝、眩しい光で目を覚ました。
いつの間にか雨が上がりすっかり青空が広がる。
「朝か…支度だな。」ゆっくりと起き上がるイドリス。
近くを静かに流れる川があった。そこへ向かい顔を洗った。ふと見上げると子鹿がこちらを見ていた。首を左側に倒しこちらを不思議そうに眺める。
すると子鹿の右側より矢が飛んできた。
子鹿はその矢に倒れた。すかさず身構えるイドリス。

「イドリス様おはようございます。驚かせましたね。
失礼しました。」なんと弓矢を放ったのはアルトだった。

「朝食にしましょう！俺の田舎ではよく子鹿を食べます！
意外と美味いですよ！」

「あぁ…そうか。」答えに困るイドリスをよそに
続々と若い騎士たちが子鹿に群がる。

皆若く、これからの戦いを忘れさせるくらい無邪気だ。

「朝食が終わるとすぐに出発だ。吹雪くやもしれない。
覚悟するように！」イドリスは皆に伝え
用意された朝食を食べて陣営を考えていた。

そこへ、ベンがやってきた。やってくるなり「イドリス様失礼致します。城より伝書鳩が届きました。
それによると二人の若い騎士が活躍し持ち堪えていると。
名はありませんが今のところアーサー様はご無事なようです。」

「そうか。でも急がねばな。しかし若い騎士とは。
ぜひ会ってみたい。いや、会えるだろう。
きっとな。」イドリスはそう確信し力強く踏み出した。

「ではこれより渓谷へ向かう。しっかりついてくるように！」イドリスにアルト、ジョシュア、ベンが続き
若い騎士たちがゾロゾロと列をつくり山道を登り始めた。