イドリスの物語
第6章 激震
イドリスたちは立っていられないほどの揺れを感じた。
周りも動揺を隠せない。
強い揺れで立っていられずやがて塔の一部が崩れ落ちた。
子供たちは泣き叫び、伯爵夫人も動揺し「貴方‼︎なんとかして下さいっ‼︎」そう言って伯爵に縋り付く。
伯爵は両手を握りしめたままじっとして動こうとはしない。
イドリスは、「ミカエル、敵に陣地までの距離を教えてくれ、そして保有している武器の数と状態を教えてほしい。
すぐに武器を集めていくれ。戦える者も集めるんだ!!
皆、聞くんだ。もうここは持たない。いつ敵が突入してもおかしくない。剣を構えて気を抜くな‼︎
騎兵隊はここに並べ‼︎弓矢隊は塔の西の回路に整列し
敵の侵入を防いでくれ。」
事前にベンに城の構造を聞いておいて良かった。
そうイドリスは心で呟いた。しかしこうも緊迫しているにも関わらずよく持ったものだ。このミカエルとラファエルとは一体…双子…?だったな。あまり似ていないが。
何か、不思議な威圧感がある。
恐怖はないが、何か只者ではないような予感がする。
その瞬間「きたぞーっ!!」弓矢隊の一人が叫び矢を一斉に放った。
始まったのだ。
回路に梯子が掛かり勢いよく敵が攻めてくる。
とてもこのわずかな人数での弓矢隊では対処出来ない。
騎兵隊‼︎こちらに応戦しろ‼︎アルトが指揮を取っていた。
十人ほど弓矢隊に応戦した。
その時、塔へ続く階段を慌ただしく昇ってくる足音。
イドリスたちは構えた。
重たい扉がいつ破られてもいいように隊列を整える。
扉が揺れ始めた。
「いよいよだな。」構えるイドリスたち。
その時、ズズズズ…何かを引きずる音がする。
後ろからシャリンシャリン。と歩く音も。
イドリスの肩をポンと誰かが叩いた。振り向くと
アーサー伯爵だった。伯爵はイドリスを見つめ、
「ワシが前に出よう。伯爵としての義務を果たそう。」
そう言うと徐に剣を構えイドリスたちの前に出た。
鋭い眼光と硬く小さく結ばれた唇からは覚悟が伺える。
かける言葉が見つからず動揺を隠す事で精一杯だった。
西の回路から響き渡る怒鳴り声と剣の交わる音。
やがて打ち破られるであろう扉を前にさらに緊張が走る。
メキメキと扉にヒビが入り始めた。
イドリスの隣にはジョシュアとミカエル、ラファエル、そしてイドリスが集めた騎士たちが並ぶ。
やがて扉の一部が飛び散った!!
周りも動揺を隠せない。
強い揺れで立っていられずやがて塔の一部が崩れ落ちた。
子供たちは泣き叫び、伯爵夫人も動揺し「貴方‼︎なんとかして下さいっ‼︎」そう言って伯爵に縋り付く。
伯爵は両手を握りしめたままじっとして動こうとはしない。
イドリスは、「ミカエル、敵に陣地までの距離を教えてくれ、そして保有している武器の数と状態を教えてほしい。
すぐに武器を集めていくれ。戦える者も集めるんだ!!
皆、聞くんだ。もうここは持たない。いつ敵が突入してもおかしくない。剣を構えて気を抜くな‼︎
騎兵隊はここに並べ‼︎弓矢隊は塔の西の回路に整列し
敵の侵入を防いでくれ。」
事前にベンに城の構造を聞いておいて良かった。
そうイドリスは心で呟いた。しかしこうも緊迫しているにも関わらずよく持ったものだ。このミカエルとラファエルとは一体…双子…?だったな。あまり似ていないが。
何か、不思議な威圧感がある。
恐怖はないが、何か只者ではないような予感がする。
その瞬間「きたぞーっ!!」弓矢隊の一人が叫び矢を一斉に放った。
始まったのだ。
回路に梯子が掛かり勢いよく敵が攻めてくる。
とてもこのわずかな人数での弓矢隊では対処出来ない。
騎兵隊‼︎こちらに応戦しろ‼︎アルトが指揮を取っていた。
十人ほど弓矢隊に応戦した。
その時、塔へ続く階段を慌ただしく昇ってくる足音。
イドリスたちは構えた。
重たい扉がいつ破られてもいいように隊列を整える。
扉が揺れ始めた。
「いよいよだな。」構えるイドリスたち。
その時、ズズズズ…何かを引きずる音がする。
後ろからシャリンシャリン。と歩く音も。
イドリスの肩をポンと誰かが叩いた。振り向くと
アーサー伯爵だった。伯爵はイドリスを見つめ、
「ワシが前に出よう。伯爵としての義務を果たそう。」
そう言うと徐に剣を構えイドリスたちの前に出た。
鋭い眼光と硬く小さく結ばれた唇からは覚悟が伺える。
かける言葉が見つからず動揺を隠す事で精一杯だった。
西の回路から響き渡る怒鳴り声と剣の交わる音。
やがて打ち破られるであろう扉を前にさらに緊張が走る。
メキメキと扉にヒビが入り始めた。
イドリスの隣にはジョシュアとミカエル、ラファエル、そしてイドリスが集めた騎士たちが並ぶ。
やがて扉の一部が飛び散った!!