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イドリスの物語

第2章 三人の騎士

イドリスは訳がわからずに二人の顔を見た。
その隙にイドリスの顔面横に矢が飛んできた。
またもや危機一髪…「まだまだ闘いは終わりません!!闘えますか⁇」とジョシュア。
あぁ…もちろん!!とイドリスが答えると「さぁ、行きますよ!!」
三人は剣を振いながら勢いよく走り出した。
夜になり、負傷者の確認と共に三人は今日を振り返った。
そして、ジャクソンの葬儀を手厚く施した。
英雄の死…イドリスにとって絶え難く、感じた事の無い
虚しさと悔しさを感じていた。
まだまだ続く闘い。泣きじゃくるイドリスをアルトとジョシュアは慰める。
俺も母と弟を戦争で亡くしました。アルトは言った。
もう3年になります。
ジョシュアも知らない話だった。ジョシュアも驚き、
お前、なんで言わなかったんだよ⁇俺たちに隠し事なんて…そういうと途中でやめた。
イヤ…言うタイミングがなくてさ。思い出すのも辛いしな。もう3年か。たまに弟を思い出すよ。
まだ7つだったのに。大きくなったら一緒に闘おうなって言ってたんだけどな。
「そうか…知らなかったよ。」ジョシュアは
掛ける言葉に困ってしまいその場に重く暗い空気が流れてしまった。
その時イドリスが切り出した。
ジャクソンは俺に闘いの手解きを教えてくれた。
ジャクソンが持つ全てを。俺が困らない様に。
俺が勝てる様に。ジャクソンは実の兄の様に接して来てくれた。いつも守ってくれた。さっきだって。
だから死んだんだ。俺はジャクソンに何もしてあげられなかった。あんなに良くしてくれたのに。
イドリスが嘆く様子を見たジョシュアが、
「ならばどうでしょう…英雄となっては⁇」そういうとアルトもそれが良い!!と同調した。
ジャクソンの教えを守ればきっとなれます!
英雄になれますよ!!俺らも手伝います!
やりましょうよ!!
少し考えたイドリスは涙を拭き答えた。
「あぁ!そうだよな!!」
次にアルトが言った。
そう言えば、自己紹介まだでしたね!
俺はアルト、こいつはジョシュアです。
俺はヨーク出身で、ジョシュアは西部のランカスターという小さな村出身です。年は俺が17でジョシュアが19です。イドリスは手を差し出した。
二人と握手を交わす。よろしく。今日は助かったよ。
のちに加わるミカエルを合わせて4人はこれから
様々な苦難や喜びを分かち合っていく。


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