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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

「松森那々香って、おまえ知ってる?」

「知ってるも何も、同じ課の同僚だけど?」

それを聞いて、周りにいる4、5人が声を上げた。

「じゃあ、大村課長は?」

「大村課長?俺の上司だけど、それがどうした?」

今度は、皆で含み笑いをしている。


「二人付き合ってるって、本当か?」

「は?」

至は、顔を歪ませた。

「実はさ、俺の同僚が、大阪に転勤になったんだけど、この前大村課長が、大阪に出張になった時にさ。」

「ああ……」

「二人が、同じホテルに入って行くところ、見たんだって。」

「えっ……」

「松森さんの肩に、課長が手を回してさ。いかにも、仲良さそうな雰囲気だったってよ。」

「へえ~。」

「へえ~って、驚かねえの?不倫の決定的証拠だぜ?」

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