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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

「至?食べないのか?」

「いや……食べる。」

箸を割っている時でさえ、至の表情は暗い。

「なんか、あったのか?」

「別に。」

「そんなふうには見えないぞ。」

至は箸を止めると、重い口を開いた。

「那々香のさ……付き合ってるヤツの話って、俺ら聞いた事あるっけ?」

「松森の?そういえば、詳しくは聞いた事ないな。」

「そうだよな。」

瞬の頭の上に、?マーク。

「それが何か、問題でも?」

瞬がそう聞いた時だ。


「ねえねえ、さっきの話。本当かなあ。」

「ああ、隣のテーブルの人達が、話していた事でしょう?」

「ええ?何?」

「ほら、営業課の松森那々香さんと、大村課長が付き合ってるって……」

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