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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

いくらなんでも、それは笑い過ぎだって。

っていうか、よくそんなに笑えるものだな。


口に出して言えない分、心の中でブツブツ言う相模原・兄。

「お父様も、随分凝った物を、お作りになるのね。」

「わっ!」

いつの間にか、埜々香が、自分の横に立っている。

「ええ~これ、1ページずつ貼ってから、真ん中をくり抜いたのね。それだけで、一日潰れる気がしない?」

「は、はい。」

「よっぽどお父様は、相模原さんの事が気に入ってるのね。」

そう言って、また笑いだす埜々香。

だが今度は、手を伸ばせば触れられる程の、距離でだ。

表紙を見ると、難しそうな漢字ばかりが並んでいる。

1ページ目をめくろうとすると、固まっていてめくれない。

「相当、古い本なのか?それにしても、紙の色は白いけど……」

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