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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

「父は最近、やけに姉の結婚の話をするわ。」

「那々香様のですか?」

「ええ。婿候補は、たくさんいるけれど、時々、相模原さんが、婿になってくれないかなって言うのよ。」

「旦那様は、ご冗談ばかり……」

「あら、あながち冗談でもないみたいよ。」

「私しは、ただの執事でございますから……跡を継ぐ那々香様のお相手には、相応しくはございません。」

「そうかしら……」


さっきまでは、お腹を押さえながら、笑っていた埜々香。

今度は、難しそうな顔をしている。

「相模原さんって、真面目な人よね。」

「はい……それしか取り柄のない人間ですので。」

「女性の方にも、そんな感じなの?」

「えっ……」

意味もなく、ドキっとする相模原。

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