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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

その日、仕事中の那々香に、一本の内線が入った。

「はい。営業課の松森です。」

「一階受付です。お客様がお見えになっております。」

「私に?」

「はい。本日の来客名簿には、記載がないのですが、お客様は約束は取ってあると、言い張っておりまして…」

「分かりました。今、そちらに行きます。」

那々香は受話器を置いて、立ち上がった。


「課長、私にお客様がお見えになってると、連絡があったので、行って来ます。」

「ああ、気を付けて。」

那々香と亮介は、至って普通だ。

「なあ、至。やっぱり、何かの間違いなんじゃないのか?」

「うん……とは言っても、二人とも大人だからな…」


そう言って、至は亮介をちらっと見た。

運悪く、目が合う。

「どうした?矢口。」

「いえ、何でもありません。」

「今日中に、顧客リスト提出しろよ。」

「は~い。」

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