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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

「よくもうちの旦那を、寝取ってくれたわね!」

「えっ?」

「まさか、知りませんって言うんじゃないでしょうね!私は、あんたの不倫相手の妻よ!」

「お、奥様!」

それを聞いて、周りがヒソヒソし始めた。


まずい。

那々香は、その客の手を引くと、コーヒーショップを出ようとした。

「放しなさいよ!!」

那々香の手から、腕が離れて行った。

「奥様、どうか落ち着いて下さい。」

「これが、落ち着いてられると思ってるの!!」

那々香が、近づこうとすればするほど、相手は興奮してくる。

「昨日、主人に離婚してくれって、頼まれたわ。」

「えっ!」

そんな事、一言も言ってなかったのに。

「あんた達の事は、前から気付いてたわよ!大阪に出張だった時も、二人でコソコソ会ってた事も!!」

そう言えば、家からの電話が、何度も鳴っていた。

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