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恋人は社長令嬢

第8章 異性の友達ってヤツ

「私は、相模原さんの事は……謙ちゃんって呼ぶから。」

「謙ちゃん!!」


それじゃあまるで、友達を通り越して、彼氏彼女みたいじゃないか。

「ねえ、謙ちゃんのお勧めの本は?」

「お勧めの本……ですか?」

「あっ、敬語も禁止。」

「また、禁止ですか!」

「友達に、敬語なんてないもん!」

確かにそうだって、分かってるんだけどね。


「分かった。」

その一言に、埜々香はまた、にこーっと笑う。

「ああ、そうだ。この本なんか、お勧めだよ。」

相模原は、手を伸ばして一冊の本を出した。

「わあーい。ありがとう、謙ちゃん。」


そうだ。

那々香様の事を断ったのも、この為。

決して結ばれない人でも、側にいて、埜々香様を見守っていきたいんだ。

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