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恋人は社長令嬢

第8章 異性の友達ってヤツ

毎週土曜日、その日は梨々香が瞬の家に、お泊りする日だ。

瞬は窓を開けて、掃除機をかけている。


「フッフフフ♪フ~ン♪」

掃除機の音が、部屋の中に響く中、外からはバイクの音がした。

「誰だ?こんな真っ昼間から。」

ベランダを覗いた瞬は、目を奪われた。

バイクを運転してるのは、この前瞬に電話をくれた、善という男で、後ろに乗っているのは、梨々香だからだ。


「ありがとう、善。」

「はいよ。」

それだけの会話をして、善は走り去って行った。

仲が良さそうな二人。

お互いを、名前で呼び合ってるのはまあ許せても、こんな休みの日まで、普通会うか?

しかも、彼氏の家に泊まりにくるっていうのに、一緒に来るって。

ふと瞬は、善のある言葉を思い出した。


『梨々香がまだ、家に戻っていないんです。』

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