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恋人は社長令嬢

第2章 秘密の三姉妹

「ところで、那々香に埜々香、仕事の方はどうだ?」

春樹の頬には、京香の手形がくっきり。

「別に。順調だけど?」

那々香は、そっけない返事。

「最近、ようやく慣れてきたところです。お父様。」

埜々香は、少し元気がない。

「どうした?埜々香。元気がないな。」

春樹は、今度は埜々香の手を握る。

「元気も無くなるわよ。埜々香が、望んだ仕事じゃないもの。」

「何?」

春樹は、わざとらしく驚く。

「埜々香は、自分の会社で、働きたくないのか?」

春樹は埜々香の手を、両手で握った。

「えっ……いいえ……その……」

困る埜々香。

「よく言うわよ。埜々香が、花屋になりたいって言っていたのを聞いて、片っ端から花屋に、圧力かけたくせに。」

那々香が、低い声で言う。

「私の時だって、面接に行った会社全部、脅迫紛いの事をして!結局、ここしか働く場所、失くしたじゃないの!」

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