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恋人は社長令嬢

第2章 秘密の三姉妹

「脅迫紛い?失礼な!娘を雇ったら、取引を考えさせてもらうと、言ったまでだ。」

「それを脅迫って言うのよ!!!」

那々香と春樹の間に、火花が散る。


「はあ~……」

二人を他所に、ため息をつく梨々香。

「いいね。パパと那々姉は、のん気で。」

「「のん気?」」

「私は、もっとブルーだよ。」

そう言ってみんなの前で、深いため息をつく梨々香。


「なんだよ、おまえらしくない。」

言ったのは、執事見習いのはずの善。

「いつでも前向きに考えるのが、梨々香じゃなかったのかよ。」

「おい、善!」

相模原兄が弟をたしなめる。

幼なじみの梨々香と善。

たが、今は主従関係にある。


「何があったんだよ。じゃなくて…何が、おありになったんですか?」

「う~ん…」

梨々香は頬杖をついて、悩んでいる。

「どうせまた、彼氏が気に入らないから、どうやって振ったらいいかで、悩んでるんでしょ?」

那々香が、バカにしたように言う。

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