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恋人は社長令嬢

第2章 秘密の三姉妹

昼間。

埜々香が働く、総務課。

頼まれた書類を、コピーし終わった埜々香に、先輩が声をかけた。

「松森さん、昨日A4のファイル、注文した?」

「はい……」

「いくつ頼んだ?」

「いくつ……80冊です……」

「80?800冊来てるんだけど……」

「えっ!」

「えっ!じゃないわよ。必ずしも、一袋に一冊入ってるとは限らないんだから。よく確認して、注文しなきゃダメよ。」

「すみません……」

「全く、どうするのよ、これ…」

オロオロする埜々香を尻目に、先輩は箱からたくさんあるファイルを、これでもかと出している。


「あの……私も、手伝います…」

「ああ~いいからいいから。松森さんは、そこにある会議の書類を、各課に配って。」

先輩は、埜々香を振り払うかのように、手のひらをヒラヒラさせた。

「はい……」

埜々香は、分厚くなっている封筒を、何冊も抱え込み、何度も、封筒を落としそうになりながら、廊下に出た。

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