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老人ホーム

第6章 独り立ち

僕の陰部は本田の目の前に晒された。本田は、僕の陰部を見て、指で摘み上げると、

「皮が被ってるわね!皮を剝いて、ちゃんと洗ってる?」

と言いながら、僕の陰部の先端の皮をクリっと剥いた。

「ほら〜、ちゃんと洗ってないでしょ!垢が溜まってるわよ!ここをちゃんと洗わないと!」

と言って、ウエットティッシュでカリの部分を拭いた。左手で、皮が戻るのを押さえて、右手で亀頭の先からカリの裏側まで丁寧にふいた。

僕は、その姿を眺めながら、出来るだけ冷静さを保とうとした。大きくなってしまっては、恥ずかしい…。

そして、本田は、もう一枚ウエットティッシュを取ると、陰茎の部分を全体的に拭いたあと、睾丸を転がすように拭いた。本田は、皮をもう一度剝いてカリのところを指で擦ると、

「お風呂に入ったら、ここをきれいに洗わないと、やっぱりタダレてくるわよ!ちょっと薬塗っておくから!」

と言って、本田は、カリの部分に薬を塗った。僕は、できるだけ、反応しないように冷静を装っていたが、本田のしなやかな指の動きと、美人で色気のある顔を見ていると、我慢できず少し大きくなってしまった。でも、本田は気にせず、

「これでたぶん少しは良くなると思う。でも、ちゃんと皮を剝いて洗わなければダメよ!はい、しまっていいわよ!」

と言った。僕は、パンツとズボンを上げ、本田にお礼を言った。

本田は、

「この前の車落ちたときはありがとう!助かったわ!でも、聞いたわよ!自分の車が故障したって言ったそうね?本当のことを言っても良かったのに!私のせいで遅刻したって!」

と言った。僕は、

「でも、僕の車にしておいた方が、説明が楽ですから!それに、みんなは知らなくても良いことだし…。本田さんもその方がいいと思って。」

と言ったら、本田は、

「平林君は…、優しいのね!」

と言った。

「また時間があるときに、診てあげるから…。あ、ちょっと長居し過ぎちゃった。」

本田は、片付けて別館を出て行こうとしたときに、後ろを振り返り、僕の顔を見ると、

「頑張ってね!」

と言った。僕は、聞き違いだと思った。でも、あの表情が聞き違いではないことを証明していた。目を細めたあの優しい笑顔…、僕は初めて自分に向けられた本田の優しい笑顔を見た。その笑顔はしばらく僕の脳裏から離れなかった。



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