狂愛の巣窟〜crossing of love〜
第7章 【あなただけのモノになれたら幸せなのです…】
ベッドの上、騎乗位の体勢で。
「十和子さん、唾ちょうだい」と舌を出して待ってる。
イったばかりで小刻みに震えながらも舌の上に唾を垂らした。
おかわり、と何度も。
起き上がってきて支えられ、対面座位でピストンされたらまた次から次へと絶頂がやって来る。
ググッと下腹部を押され目が合うと
「僕の形になった?忘れないでよ、お願い」って懇願してくるの。
こんなに愛し合ってるのにね、まだ自分のモノじゃないから時々不安になるのかな。
「親父とは今夜シないで」とも。
「シない……ねぇ、一颯くんでいっぱいだよ?」
「ハァハァ………うん、嬉しい」
些細なことでも弱気になってしまうから安心材料を提供する。
自分に出来ることなら何だって与えてあげたい。
普段、我慢ばかりさせてるから。
帰る場所が違うから。
だから、父親にバレるとわかっていながらキスマークを着けたがる。
2人で居る間は離れずくっついて恋人同士の関係を堪能してもらうの。
3回目までは頑張れるんだけど、それ以上は体力が保たなくて一颯くんに委ねてる。
「帰したくない……」
事後、ベッドの上で後ろからハグしながら耳元で言う。
まだ肩で息してるのにギュッと腕の中。
叶えてはあげれない望みを口にされて急に現実へと戻った気分。
「困らないで」と顎クイされ舌を絡ませる。
わかってて言うんだもんね。
私の反応見て慌てて訂正してる。
そんな顔、させてごめんなさい。
「十和子さん、加減出来なくてごめん……」
謝るのは私なのに、いつも先に謝ってくる。
振り向いて胸に頭を預けたら隙間なく抱き寄せられて。
黙ったままだとまた不安になるの?
背中を擦れば覗き込んできて自然と唇は重なる。
「同じ家に帰りたい……やっぱ一人暮らしするんじゃなかったかな」
「どうして?今日はアレだけど、私楽しんでるよ?一颯くんの家に合鍵で入って色々片付けたり、ご飯作って待ってたりするの」
そんな新婚さんみたいな時間も貴重だとは思わない?
「毎日じゃないもん……毎日見たいよ、十和子さん独り占めしたい」
「今、してるよ?一颯くんだけの私でしょ?」