雪女
第1章 転校生
そして あられは何故転校することができたのだ。
高3の6月に。しかもここは県下有数の進学校で偏差値も72だ。
彼女の着ているセーラー服は私立姫原女子高校のものだから、偏差値は60前後だ。
だがそれは政治の力ってやつで何とかできるとしよう。それよりも僕が驚いたのは彼女が着ている制服が身体に合いすぎてるってことだ。
真っ白な夏制服は肩幅や丈がピッタリ合っている。スカートの折り目は手が切れそうな程だ。
普通は1年の時に成長率を見越して作るから、3年の最後の夏のために制服を作る者などいない。
百歩譲って作ることになった(とれない染みが付いたとか、かぎ裂きを作ったとか)としても、この状況で作るのなら我が校の制服を作るのが普通だろう。
時系列で見ると、この高校に転校が決まってから急いで元の高校の制服を作らせたことになる。
左隣の席の杉下は勘が鋭い。「なあ、変だと思わないか」と話しかけてみた。
「そこ! 神ノ宮君(かみのみや)くん。鈴木さんを見て、君はそこですか」と驚いた声を出す。
俺の方が余っぽど驚いたぜ。そこまで美人に目が眩んでるとはね。
因みに、僕は伊勢神宮とは関係が無い神社の子で通常はシンと呼ばれる。訓読みとか漢字で呼ばれると格好いいんだが、さすがにリアルすぎるのか誰もカミとは呼ばない。
そして僅かながら霊感がある。皆のように手放しで鈴木さんを受け入れられないのはその為だ。
高3の6月に。しかもここは県下有数の進学校で偏差値も72だ。
彼女の着ているセーラー服は私立姫原女子高校のものだから、偏差値は60前後だ。
だがそれは政治の力ってやつで何とかできるとしよう。それよりも僕が驚いたのは彼女が着ている制服が身体に合いすぎてるってことだ。
真っ白な夏制服は肩幅や丈がピッタリ合っている。スカートの折り目は手が切れそうな程だ。
普通は1年の時に成長率を見越して作るから、3年の最後の夏のために制服を作る者などいない。
百歩譲って作ることになった(とれない染みが付いたとか、かぎ裂きを作ったとか)としても、この状況で作るのなら我が校の制服を作るのが普通だろう。
時系列で見ると、この高校に転校が決まってから急いで元の高校の制服を作らせたことになる。
左隣の席の杉下は勘が鋭い。「なあ、変だと思わないか」と話しかけてみた。
「そこ! 神ノ宮君(かみのみや)くん。鈴木さんを見て、君はそこですか」と驚いた声を出す。
俺の方が余っぽど驚いたぜ。そこまで美人に目が眩んでるとはね。
因みに、僕は伊勢神宮とは関係が無い神社の子で通常はシンと呼ばれる。訓読みとか漢字で呼ばれると格好いいんだが、さすがにリアルすぎるのか誰もカミとは呼ばない。
そして僅かながら霊感がある。皆のように手放しで鈴木さんを受け入れられないのはその為だ。