雪女
第1章 転校生
先生が鈴木あられの席を決めた後、僕を手招きした。
「彼、神ノ宮。通称シン。生徒会長で色々詳しいから、知りたいことは彼に聞いて」
「すみません。今日はその生徒会の引き継ぎが1時半からあるんですけど」
すかさず加代が手を上げた。
「先生。その役、私とシンちゃんでやります。彼が生徒会に行った後も私なら続けて案内できますから」
なんだよその『ちゃん』って。
「二人はつきあってるの?」
『ちゃん』のせいで、早速、あられに訊かれた。
「うん」
「ちげーよ」
返事がハモった。
「噓つけ。お前、杉下とつきあってるくせに」
「あら。バレてる?」
「とっくにだよ。おめーらバカだろ。堂々としすぎ」
舌を出す加代は無視する。
羨ましそうなクラスの奴らと違って、あられが近付くと僕の髪が静電気を帯びたようにザワザワとして落ち着かない。
なので、説明は加代に任せた。
「音楽教室にはもう来ることが無いでしょうけど一応ここだからね。これから良く来ることになるのはこの理科教室。準備室は隣で、生物の材料は太陽光に当てないように遮光されているから気をつけて。明かりも特殊なライトを使っているのよ」
加代が説明しながら、照明のスイッチを入れる。
ブラックライトがついて、あられの制服にしぶきがかかったような蛍光が浮かぶのを僕は見た。
「彼、神ノ宮。通称シン。生徒会長で色々詳しいから、知りたいことは彼に聞いて」
「すみません。今日はその生徒会の引き継ぎが1時半からあるんですけど」
すかさず加代が手を上げた。
「先生。その役、私とシンちゃんでやります。彼が生徒会に行った後も私なら続けて案内できますから」
なんだよその『ちゃん』って。
「二人はつきあってるの?」
『ちゃん』のせいで、早速、あられに訊かれた。
「うん」
「ちげーよ」
返事がハモった。
「噓つけ。お前、杉下とつきあってるくせに」
「あら。バレてる?」
「とっくにだよ。おめーらバカだろ。堂々としすぎ」
舌を出す加代は無視する。
羨ましそうなクラスの奴らと違って、あられが近付くと僕の髪が静電気を帯びたようにザワザワとして落ち着かない。
なので、説明は加代に任せた。
「音楽教室にはもう来ることが無いでしょうけど一応ここだからね。これから良く来ることになるのはこの理科教室。準備室は隣で、生物の材料は太陽光に当てないように遮光されているから気をつけて。明かりも特殊なライトを使っているのよ」
加代が説明しながら、照明のスイッチを入れる。
ブラックライトがついて、あられの制服にしぶきがかかったような蛍光が浮かぶのを僕は見た。