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小説以外のひとりごと

第43章 アーティスト


その2

アンドレ・マトスは音楽の学校に通い、音楽シーンから消えたあいだも音楽理論を勉強していたらしい

このあたりはハロウィン脱退直後のカイ・ハンセンも同じようなアクションだ


そしてアンドレ・マトスは待望のニューバンドを組んでシーンに復帰した


ANGRA(アングラ)


そのデビューアルバムはクラシック要素を組み合わせたスピードメタルで、ヴァイパーの2ndアルバムを正統継承した雰囲気で聴きまくった

ヴァイパーをインディーズとしたら、
アングラはメジャーの違いを感じる


その後のアングラ2ndアルバムはクラシカルフレーバーだけでなく、ラテンのリズムを取り入れて、他には無い唯我独尊なところまで上がっていったように思える


2ndの後に発表されたミニ・ライブアルバムは車の中でいつも聴いていた


ちょっと陰りが見えたのは3rdアルバム
少し落ち着いた雰囲気で、疾走感が少なくなっていた


案の定バンドは分裂

ギターのふたり以外全員がバンドから脱退した


今を思えば3rdアルバムの頃から亀裂があったのだろうな


アングラの名前を継承したギタリストふたりはすぐさま新生アングラを立ち上げる

若手バンド「シンボルズ」のヴォーカリストを抜擢して「リバース(再生)」と冠した4thアルバムを発表する


たしかにこの復活アルバムは良かった

よく聴いていた

アングラが若々しく蘇った感があった

ライブアルバム、ライブビデオも買った

ニューアルバムの曲だけでなく前任者の楽曲も軽々と歌いこなしていた


でも、正直いって「コレジャナイ」感はあった

シンボルズの頃のアルバムも輸入盤で持っていたけど、もっとテンションが張り詰めた限界ギリギリの歌声が良かったのが、こなれているような雰囲気に聴こえてしまった

それはボクだけなのかもしれないけど


アングラはその後も5枚目、6枚目とアルバムを発表して、その都度購入していたんだけど、昔のヴァイパーの頃からの流れが変わってしまって、あまりのめりこんでまでは聴き込まなくなってしまった


これは自分の年齢のせいなのだろうか?

もう思春期の頃のように音楽に夢中になるわけではないのだろうか?

感受性も老化していくものなのだろうか


そんなとき、アンドレ・マトスがニューバンドを結成した


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