幸せな報復
第19章 畑野浩志の観察
二人は10畳ほどあるダイニングのテーブルに隣り合って座り腕が振れるくらい接近しても気にならない関係まで発展していた。
「浩志くんとわたしは肉体関係にならないでもいいわよ…… こうして時々肌で温もりを感じるだけでわたしは十分しあわせなの……」
浩志の隣に座る恵美は意図的に浩志の体に自分の上半身を寄せ、顔は浩志の首筋に向け息を軽く吹き掛け、その反動を使って彼の体臭を吸っていた。
「わたしはきみの体臭だけで満足できるけど、きみはいつかわたしの魅力に負けて襲いかかろうとするかもしれないわね……」
彼女はいつになるか知れない浩志の性欲の暴発に期待をしていた。
「きみが襲ってきたら驚いた振りをして上半身をテーブルに伏せてあげる。そしたら、背中からのし掛かりわたしを襲うといいわよ」
妄想大好きの彼女は相変わらず自分に都合のいい妄想をしていた。彼女は肉体関係を持たなくてもいいと言う割に、妄想の中では浩志と肉体的な関係をすぐにでも持ちたくて襲われる妄想をしてしまう。
乙女の思考崇拝者の彼女は初めての男は浩志か勘太郎と決めていた。彼女にとっての乙女の概念は自分からせまらない奥ゆかしい処女というけだもの族の末裔ならではの歪曲した解釈だった。
だから、乙女崇拝者の自分としては絶対、自分から二人を襲うのは論外で、二人同時にわたしを襲ってほしい、と祈っていた。
彼女を支配しようとする邪心は、「わたしは学園のアイドルなのよ、だから男を自分から襲うなんてできないわ」という自己中心的なプライドと浩志の体から放出される幸せ体臭を吸うことで、かろうじて封じられていた。
「学園のアイドルが男を襲うなんて、まるで、天使の衣を着たけだものよ、わたしが胸キュンにさせてあげるからキュンキュンしたら襲って来てね」
そう心中でつぶやきながら彼女は、父親の勘太郎は浩志に襲われた後の楽しみに残しておこう、とも思っていた。
彼女は自分がけだもの族の末裔であることを知らない。散々、他民族のオスを襲い拉致し性奴隷化してきたけだもの族の末裔であることを知らない。
「浩志くんとわたしは肉体関係にならないでもいいわよ…… こうして時々肌で温もりを感じるだけでわたしは十分しあわせなの……」
浩志の隣に座る恵美は意図的に浩志の体に自分の上半身を寄せ、顔は浩志の首筋に向け息を軽く吹き掛け、その反動を使って彼の体臭を吸っていた。
「わたしはきみの体臭だけで満足できるけど、きみはいつかわたしの魅力に負けて襲いかかろうとするかもしれないわね……」
彼女はいつになるか知れない浩志の性欲の暴発に期待をしていた。
「きみが襲ってきたら驚いた振りをして上半身をテーブルに伏せてあげる。そしたら、背中からのし掛かりわたしを襲うといいわよ」
妄想大好きの彼女は相変わらず自分に都合のいい妄想をしていた。彼女は肉体関係を持たなくてもいいと言う割に、妄想の中では浩志と肉体的な関係をすぐにでも持ちたくて襲われる妄想をしてしまう。
乙女の思考崇拝者の彼女は初めての男は浩志か勘太郎と決めていた。彼女にとっての乙女の概念は自分からせまらない奥ゆかしい処女というけだもの族の末裔ならではの歪曲した解釈だった。
だから、乙女崇拝者の自分としては絶対、自分から二人を襲うのは論外で、二人同時にわたしを襲ってほしい、と祈っていた。
彼女を支配しようとする邪心は、「わたしは学園のアイドルなのよ、だから男を自分から襲うなんてできないわ」という自己中心的なプライドと浩志の体から放出される幸せ体臭を吸うことで、かろうじて封じられていた。
「学園のアイドルが男を襲うなんて、まるで、天使の衣を着たけだものよ、わたしが胸キュンにさせてあげるからキュンキュンしたら襲って来てね」
そう心中でつぶやきながら彼女は、父親の勘太郎は浩志に襲われた後の楽しみに残しておこう、とも思っていた。
彼女は自分がけだもの族の末裔であることを知らない。散々、他民族のオスを襲い拉致し性奴隷化してきたけだもの族の末裔であることを知らない。