幸せな報復
第11章 恵美の訪問
2時間ほど経った頃、彼女は目を大きく開いてしまうほど驚いた。その家に同級生の畑野浩志が入っていったからだ。恵美はしばらく考えているとやがて満面の笑みをあふれさせた。
「ふふふ…… 二人とももっと幸せのドツボに…… あたしがし・て・あ・げ・る」
恵美は路地の角から顔だけを出して同級生の畑野浩志の幸せな顔を思い出していた。
そんなことを全く知らない浩志は自宅のリビングで恵美を思い出し、幸せいっぱいのアドレナリン全開の興奮状態になった。彼の顔は幸せいっぱいで、顔面に入りきれない幸せが爆発&爆裂しているようだった。
浩志にとってのマドンナ・恵美が痴漢被害者にあったと知ったら、それも痴漢をした男が父親と知ったら、そのときから彼は発狂し廃人になるかもしれない。恵美はそんなつまらない父親の罪のせいで自分の幸せを失いたくなかった。だから、恵美はその秘密を墓場まで持って行く覚悟だ。
恵美は浩志の幸せな笑顔が好きだ。それを見ると彼女も幸せになれた。あの幸せの顔に吸い寄せられ、あの唇に自分の唇を重ねようとして幾度思いとどまったことか。彼の幸せの顔はまさしく幸せの蜜だ。
「これからは二人の蜜をなめられる…… ふふふ」
恵美は畑野家の自宅から軽やかなステップを踏んで帰った。
*
恵美は幸せに大きい、小さい、というサイズはないはずと思っていた。彼女は幸せの絶頂感を浩志から受けた。太陽の光を受けて暖かさを感じるようにうれしさがみなぎった。それなのに、電車の中で見た痴漢男の幸せな顔を見たらもう駄目だった。自分を見失っていた。足がガタガタ音を立てて崩れそうなくらい、意識を失いそうになるくらい幸せいっぱいで気持ちが良くなっていた。「これこそ、究極のエクスタシーよ」と心中で叫びながら満員電車の中で気を失いそうだった。その理由が分かった。「親子だったからなのか」と彼女は今更ながら二人の男の幸せな顔の虜になってしまったことに合点した。
「ふふふ…… 二人とももっと幸せのドツボに…… あたしがし・て・あ・げ・る」
恵美は路地の角から顔だけを出して同級生の畑野浩志の幸せな顔を思い出していた。
そんなことを全く知らない浩志は自宅のリビングで恵美を思い出し、幸せいっぱいのアドレナリン全開の興奮状態になった。彼の顔は幸せいっぱいで、顔面に入りきれない幸せが爆発&爆裂しているようだった。
浩志にとってのマドンナ・恵美が痴漢被害者にあったと知ったら、それも痴漢をした男が父親と知ったら、そのときから彼は発狂し廃人になるかもしれない。恵美はそんなつまらない父親の罪のせいで自分の幸せを失いたくなかった。だから、恵美はその秘密を墓場まで持って行く覚悟だ。
恵美は浩志の幸せな笑顔が好きだ。それを見ると彼女も幸せになれた。あの幸せの顔に吸い寄せられ、あの唇に自分の唇を重ねようとして幾度思いとどまったことか。彼の幸せの顔はまさしく幸せの蜜だ。
「これからは二人の蜜をなめられる…… ふふふ」
恵美は畑野家の自宅から軽やかなステップを踏んで帰った。
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恵美は幸せに大きい、小さい、というサイズはないはずと思っていた。彼女は幸せの絶頂感を浩志から受けた。太陽の光を受けて暖かさを感じるようにうれしさがみなぎった。それなのに、電車の中で見た痴漢男の幸せな顔を見たらもう駄目だった。自分を見失っていた。足がガタガタ音を立てて崩れそうなくらい、意識を失いそうになるくらい幸せいっぱいで気持ちが良くなっていた。「これこそ、究極のエクスタシーよ」と心中で叫びながら満員電車の中で気を失いそうだった。その理由が分かった。「親子だったからなのか」と彼女は今更ながら二人の男の幸せな顔の虜になってしまったことに合点した。