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幸せな報復

第14章 家族

 すっかり畑野家の家族になって打ち解けていた彼女は寝室のベッドに忍びより寝ている浩志の父・勘太郎の両手両足を動けないようにベッドの四隅にストッキングで固定していく。彼女はベッドの脇に座り男をじっと見つめた。数分後、男は寝返りを打てなくて目を覚まし首を上げ全身を見て自分の状況を知ることになる。「恵美さん、これはどういうことかな?」と男が切羽詰まった声で言う。その質問を無視し彼女は男の掛け布団をゆっくりずらし剥ぎ取る。用意していたはさみを手に握り男のパジャマの袖口から首に向かって切り裂いていく。左腕を切り、右腕を切り終えると、前身頃のボタンを下から外していった。
「どういうつもりですか?」彼が問うが恵美は無視する。ズボンの裾口から腰に向かってはさみを入れていく。左足を終えると、右足に移る。すべての布をつまみ上げる。パンツだけを着けた男の丸裸ができあがった。男は恐怖で震えていた。その恐怖を恵美はゆっくり取り除いて期待と希望と切望と懇願に徐々に変えてやるつもりだ。
 恵美は足の指先を口に含み舌でなめ上げた。男が驚いて首を持ち上げて下半身を見つめている。その恐怖の顔に恵美は微笑みで返す。「恵美さん、何をするつもりだ?」という男の問いは無視する。男のつま先から舌の先をゆっくりすねに向けてなめ上げていく。男は腰を上下に移動させるだけで抵抗できない。男のパンツはいつのまにか高い頂を作っていた。
「ふふふ……」と恵美は微笑んでから目を開いた。そんな光景が来る日を想像しただけで彼女の体の中心は熱くなった。舌先がやがて首筋に到達する。あごに移ってから男の唇に来ると口の中に舌をねじ入れてやる。男は苦しそうに拒み閉じるがやがて唇を開け受け入れるのだ。ねじ込んだ舌で口の中をなめまわし舌を抜く。
「目を開けて…… あたしの顔を見るのよ…… わたしに痴漢なんかするからこうなるのよ…… これから償うのよ、たくさん……」
 この想像はやがて現実のものとなる。「たっぷりと償うのよ……」と彼女がつぶやく。

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