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幸せな報復

第15章 接近する恵美

 満員電車に乗り込んだリーダーのそばにオスが背後に寄りそった。リーダーは背中をオスに預け尻を後ろに突き出してオスの反応を見た。早速、オスは彼女の尻と股のくぼみに手のひらで触ってきた。
「あっ、ああ」
 リーダーはオスの行動を予期していたのに、初めて触られたオスの手の感触に声を出してしまった。
「何? この感覚は? あたし…… うれしいの?」
 心中でつぶやいたリーダーは、このとき生まれて初めて体を触られたことに嫌悪感など感じなかった。むしろ幸せを感じた。
 彼女たち5人はこの日初めてオス狩り儀式に参戦した。初めてオスに体を触れられリーダーはなされるがままオスに体を預けて言った。
「こっちを…… もっと強く…… そう、そうよ」
 彼女は無意識のうち下半身をオスの局所に押し当てていた。ねだるような目をしたリーダーは自らの手で乳房を強く握り痛みを与えた。痛みが走る苦悶の表情で相手の顔を鋭くにらみつけた。オスを誘いながら近づくオスを威嚇する。付かず離れず、オスをじらしながら翻弄していく。
 リーダーはオスから手で触られることに緊張した。なぜなら、けだもの族の掟によれば、オスを自らの力で犯すことが原則だ。オスは最低の輩だ。種の存続のためだけに生かす。役目を終えれば価値はない。後はひねり潰すだけだ。彼女らはオスを誘い込み5人がかりでオスを犯す。犯されたオスはメス5人に畏怖し生涯言いなりにさせられ性奴隷として扱われる。けだもの族のリーダーはこれからする自らの悪態を想像することで彼女の興奮を一気に高めていく。期待が上り詰めるにつれ彼女は足を小刻みに震えさせ苦悶の表情を見せた。武者震いというやつだ。そんな彼女の興奮していく体の特異性を感じたオスは、近く自らに起こる未来の恐怖を感じ尻から手を速やかに引っ込めた。

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