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幸せな報復

第17章 双子誕生

 けだもの族は人口統制していた。オス1匹、メス5匹でグループが構成されていた。繁殖期になると、オスは外界から拉致し連れて来られた。オスがメス5匹を順番に妊娠させ5人目が生まれるとオスの役目は一旦は終了した。人口増加も減もない世界。それがけだもの族に決められていた不変の法則である掟である。
 オスは5匹のメスをはらませ出産させると、それぞれのメスの性欲を満喫させるためだけに余生を送る。けだもの族は以前にも言ったようにメスだけの構成である。なぜなら、オスが生まれることはない。グループはオス1匹と仲良く性的な快楽を得ながら幸せに暮らしていく。5人のメスは一人ずつしか子どもを作らない。つまり、メス一人につき子ども一人を産むだけの人口統制が永遠に実施されていく。人口統制された増減のない世界が確立されていた。はずだった。
 本来、小椋海星は沢子たちのグループに拉致され性奴隷として平穏に暮らすことで人口統制されていく。
 それが、怪物的な破壊力を持つ海星によりその掟による法則性が破壊された。毎日、慰み者にされた沢子の体質が変質した。そして、双子が生まれた。一人は愛の化身、一人は憎悪の化身だ。

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