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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第10章 ムーンブレイド


マリナ・アルテナが吠えているのを無視してキアラと呼ばれた少女はタッチパネルに触れると正面の大型モニターの数台が外の様子を映し出した


「水の中?」

マリナが暗い水の映像を眺めているとセンターを挟んでジェフリーが声を出す


「なるほど、この兵器はダム湖の中に隠されてい建造されていたのか!?
 ……いや、違うな? コイツは昔から此処にあったんだな? そしてわざわざコイツを隠すために無理やりダムを建設したわけだ?」


驚くジェフリーをよそに真ん中に座るキアラは喜びの笑みを隠しきれない


「そうだね、きっとハルフォード提督ってのは最初に此処でこのマシーン“ムーンブレイド”を見つけたんだね、でも動かすことが出来ず手をこまねいていたのよ?

 なぜだかわからないけど前の主人、オーロラはもうこのムーンブレイドを動かせなかったみたい

 次のキイが現れるまでここに秘密裏に隠すしかなかったのね? トルコ軍がわざわざアゼルバイジャンに秘密裏にしてまで!

 そして私が代わりの合い鍵、
 オルタナティブ・キイってわけね

 ふふふ、おもしろいわッ!
 これはなかなかのオモチャだわッ!

 ハルフォードに感謝しないとねぇ?
 オーロラにも、ね」


キアラはアハハハッ!と高笑いをする

マリナは小さな女の子が大きな声で笑っている光景が不気味に見える

まるで悪霊に取り憑かれたかのようだ

自分たちアルメニア軍はこんな不気味な相手をするために戦ってきたというのか?


不気味な少女、

無気力な男、

そして船だか何だかよくわからない骨董品のような巨大兵器


あまりにも荒唐無稽だ


キアラはムーンブレイドを浮上させていく


ゆっくり景色が明るくなっていく


水面に浮上したとき、


上空にはアルメニア軍のモビルスーツ中隊に包囲されている光景が飛び込んできた!



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