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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第11章 眠り姫


扉を激しくノックする音

敬礼して部下が一名入室する


彼は前線を率いていた小隊長オーウェンだ
若い小隊長は雪にまみれながら中隊長ハルフォードに現状報告に来たのだ


「ハルフォード大佐、アルメニアの残党を古い鉱山にまで追い詰めました、貴方の作戦通りです
 読み通り谷の川をのぼって鉱山に籠城しています」


奥のデスクの前に座っていたハルフォードは制帽を手に取ると立ち上がり壁にかけてあった鞭を手にする


「狙い通りだな、ヤツらには下山するルートなど与えん! 逃げ込むことはわかっていた!
 予定通り事前にセットしたダイナマイトを爆破させろッッ!」


「はっ! ですが立てこもったときに捕まった村の住人もおりますが…」



「……かまわん、住人もろとも爆破しろッ!
 不運だったのはアルメニア連邦軍だけではない、捕らえられた時点でその住民に運は無かったのだ」


「かしこまりました! では手はず通り鉱山の爆破シーンを撮影してオンラインで流しておきます、鉱山以外に逃げ込んだ連中も観念するでしょう」


「オーウェン少尉、やるときは徹底的にやれ!
 記録し、そして利用しろッ!
 結果的にそれが最小限の被害で済むのだ

 私もモビルスーツで出るぞッ!
 スノー・ディアスの部隊を渓谷全体に配備させろッ!」


ハルフォードは雪の嵐の中へ向かう
極冠仕様のモビルスーツ部隊が順次出動していく


数十分後、


激しい地鳴り、荒れ狂う雪崩の轟音が村にまで鳴り響く


村人たちは〈またどこかで殺戮が行われたのだ〉と恐怖におののくしかなかった


作戦は成功した


籠城していたアルメニア連邦軍の残党兵たちはまさか逃げ込んだ廃棄された鉱山にあらかじめ爆薬が仕込まれたとはつゆ知らず、まんまと罠にはまってしまったのだった



撤収の号令を出した直後、前線に配備されていたオーウェンから連絡が来る



「大佐、大変です!鉱山から………ッ!?」


ハルフォードは慌てるオーウェンの報告を受けていた…


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