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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第4章 増援部隊ゾーナタ


ジョンも確かにあの空中戦は凄かった、と思い返す
陸戦用モビルスーツのジムⅢが何度もジャンプを繰り返し空中戦を繰り広げていく光景
よほど熟練したパイロットが高い操作性で操縦しているのだろう、と思える


ジムⅢのタラップにはジョン以外にも人が集まってきた

「なんだ? ハッチの故障か?」
「出てこれないんだって?」
「なにやら凄い戦闘してたらしいじょないか」

皆がわらわら話しながらハッチの横に付いてある手動の緊急時用メンテナンスカバーを開けて強制開閉させようとして皆が少しだけ後ろに下がる

格納庫を取り仕切っている老整備士がハンドルを思いっきり引っ張ると、バンッ!と大きな音を立ててコックピットハッチが鳥の嘴のように上下に開いた


皆がそろぉ〜っと覗き込むと想像の斜め上の光景が見て取れた


コックピットシートには幼い女の子が緊急時用のサバイバルフードを食べている途中であったのだ


「……あ!」

「……え?」

タラップに集まってきたクルーは呆気にとられ誰も頭が回らなくなってしまう


しばしの沈黙


静寂を破ったのは少女からのひとことだった


「……トイレ、貸してもらえる?」


集まったクルーは誰も答えられず、ただ目を見開いたままだ
かろうじて一番若いジョンが反応して、格納庫の壁の方向を指差すと、女の子は我慢していたようで「アリガト!」と言ってコックピットから出て走り去ってしまった


「ジョン? あれがエースパイロット??」

「空中戦を…、あれ? 違うのかな?」


皆は狐につままれたかのような不思議な顔を見合っていた……





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