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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第6章 接触


「〈ストーム計画〉というものはとある研究施設による第二段階の略称です

 第一段階として〈エターナル計画〉というものが秘密裏に行われていたそうです、宇宙でね」


スティーブ・グリメットは貴族らしくすぅっと紅茶に口をつけた
ヨハネス司令とラーズは黙って彼の次の言葉を待っていた


「……失礼、いゃあ!本当にこれはおいしいなぁ!
 さて、昔むかしまだジオンによるサイド3の反乱が起こるよりもう少し前、宇宙ではぽつぽつと空間に特化した能力の持ち主が現れていたそうです


感覚のすぐれた者もいれば、反射神経が異様に早い者だったり…


モビルスーツが開発される以前からそういった特殊な能力の持ち主を研究する動きがありましてね


有名なのはフラナガン博士による〈ニュータイプ計画〉です、聞いたことあるでしょう?


宇宙で暮らしていくうちにやたら空間認識に優れた者を研究していたそうです


彼らが操るための特別仕様の戦闘機の開発が同時に進められました

いわゆる〈サイコミュ・システム計画〉です


研究施設は実は表立っていないものがたくさんありましてね


それは非人道的だ、と表には出なかったそうなんです


反射神経の優れた若い者……、なんなら子どもたちが研究の被験者となったのが〈エターナル計画〉というものです


優れた子どもたちからさらに選抜され、残った子たちの成長ホルモンを極端なまでに遅らせる人工的な人間改造

その能力が大人になって芽が摘まれないように永遠の子どもたち〈エターナル・チャイルド〉を作り出していたのがキンバリー博士という女性でしてね

もうこの世には居ないのですが

宇宙ステーションでね、暗殺されたようで

噂では〈エターナル・チャイルド〉の恨みを買った結果だ、とも言われたそうです


その〈エターナル・チャイルド〉たちが操る兵器というのが〈ストーム計画〉なのです


ニュータイプがサイコミュ兵器を扱うように


エターナル・チャイルドはカタストロフマシーンを操るわけです


あの宇宙から降りてきた巨大な飛行物体はおそらくカタストロフマシーン、それだと思われます」


ヨハネス司令は想像を絶する内容に言葉が出なかった……


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