クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第7章 バルケシルの炎
スタバのチャイラテを飲みながらスィミットを頬張る
もっと買っておけば良かったな、と今さら後悔する
「イスタンブールはネコちゃんがいっぱい居るんだねぇ〜★」
「そうだな、街は猫だらけだぜ
ほら、あれ見てみろよ
公園の真ん中にあるボックスがあるだろ?
あれはキャットフードを与えるためのボックスなんだ、誰でも餌をあげられるからここの猫はやせ細ってないだろ?」
「そういえば雑貨屋さんの前を通ったときもネコちゃんのイラストのポストカードがたくさん並べてあった!イスタンブールの人はネコちゃんが大好きなんだね」
小休止したふたりは繁華街の通りを歩いて行く
西洋と東洋の文化が交わる観光地とあって通行人はすごい人だかりだ
そして信じられないぐらい猫を多く見かける
「空の上では戦闘が行われてるってのに観光なんて、のんきなもんだぜ」
ラーズは人混みをかき分けながらどんどん進むが、女の子とデートをしてこなかったためかローズがついていけない
「ちょ、ちょっと待って!もっとゆっくり歩いてよ!こんなところで置いていかないで!!
それにしてもさっきから坂道と階段ばっかり!
イスタンブールがこんなに急な斜面にあるのだなんて!やっぱりネットのマップばかり見てたらダメね!
歩いて5分の距離だと思ったら自転車でも登れないくらいの急な斜面ばっかりなんだから!」
ローズが驚くのも無理はない
イスタンブールの町中はとても急な階段ばかり縦横無尽に繋がっているのだから
ふたりはイスタンブールの街で落ち合う予定のホテルへ向かっていた