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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第7章 バルケシルの炎


「アンタらの艦グリメット号の居住区だって二段ベッドがあるだろう?」


「うーん、そうなんだけどお父様は私たちにあの部屋を使わせてくれないの
 別に私たちは構わないんだけど……
 大きなベッドの上でみんなで固まって寝てるの」


「……まぁ、お前たち数が多いもんな…、1人づつベッドをあてがうよりまとめて大きいベッド使ったほうがスペースの効率はいいか……」


ラーズは格納庫に集まっていた娘たちの数を思い出していた
30人にも40人にも思えるクローンの娘たち


「それもあるのかもしれないんだけど…、お父様は私たちに兵隊さんのような生活をさせたくないみたい、私たちの中にはひどい生活を強いられていた子もいてたからですって!
 わたしたちは今の生活が気に入っているのだけれど……」


ローズは二段ベッドのハシゴを登って満足そうにベッドから部屋を見下ろしていた


「アンタも聴いているんでしょう?私たちのこと、世界中の組織に作られて売買された人工物
 たしかに中には兵器の一部のような扱いを受けていたり、ペドフィリアな変態にはいいように慰みモノにされてきたり、ペット以下の所有物扱いだったけれど、今は私たちの居場所が出来たし、姉妹も出来たわ
 お父様やお母様もそばにいる生活なんて以前は考えられなかったから
 部屋の待遇なんて全然かまわないのにね」


「スティーブもアリッサもお前たちのホントの親のように心配してやがるぜ?
 ベッドの上から落ちる娘を見たくないのさ」


ラーズはわざと茶化すように言った


「兵器に乗り込むのは怖くないのか?
 強制されてるようには見えなかったけど」


「役に立てるなんて喜ばしい事よ!なにも出来ない子供じゃないもの!
 自分の特技を活かせて、みんなを守って、家族を守れるの、あっ家族って言うのはクルーも含めてよ?
 戦いは私たちの能力なのだから」

ラーズはこんな小さな子供が正規パイロットの自分よりも技術が上だなんて信じられなかった…




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