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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第8章 カタストロフマシーン〈ストーム〉


クレアは説明するのはコックピットに居てる少女にさせたほうが良いと判断して、2人をコクピットルームへ案内した


どうせ何を聞かれたところでクレア自身が答えられることなど多くはないのだから


「本当にコイツは宇宙船のようだな?
 このサイズの兵器なんて聞いたことがない
 モビルアーマーよりデカいだろ」


「キアラはカタストロフマシーンと呼んでいたわ、コードネームは〈ストーム〉
 月では連邦軍もネオ・ジオン軍もコレを手にしようとして戦闘があったの」


「アンタは月からやって来たのか?」


「私は月のグラナダ、アナハイム・エレクトロニクス社のスタッフよ、だったのほうが正しいわね、今は指名手配犯としてテロリスト認定されちゃったから
 でもこの〈ストーム〉はアナハイムの物じゃないわ、もっと昔からあったみたい
 きっとモビルスーツよりももっと昔に開発された兵器のよう」


3人は長い通路を歩いて、ようやくコックピットルームへたどり着いた


そこで見たものは



少女の亡き骸と、見たこともないパイロットスーツの男


ふたりともすでに息絶えていた



「………なんてことッッッ!?」


クレアは膝まづいてキアラの亡き骸を抱き締めてやった


すでに身体は冷たかった


ラーズは男のほうのドッグタグを確認する


「サフィーネ・バッファー
 ネオ・ジオン軍のドミニク小隊所属
 こっちも冷たくなってるな
 銃を手にしているから撃ったのはコイツだろう、よくも子供に向かって…、許せねぇな
 パイロットスーツもボロボロだ、破壊されたモビルスーツから脱出して乗り込んで来たんだろう、コイツもまさかパイロットが子供だなんて思わなかっただろうな

 これで事情を知っているのはクレア
 アンタだけになったみたいだぜ?」


「………スコット………、スコットは?
 彼はどうしたのかしらッ!?
 外でモビルスーツで戦ってくれていたハズなんたけど、帰還しているハズなんだけど……」


クレアはコックピットの操作をするとすぐに録画ファイルが再生された

ついさっきまでキアラが見ていたようだった


そこにはスコット機の最期の映像が映し出されていたのだった……


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