人造人間フランくん
第2章 動画配信、始めました。
Dr.シュガーこと佐藤白は、フランを動画配信者として売り出すことに決めた。その最初の配信は、フランが買って来た知育菓子をフランが一人で遊んで食べてみるといったそこそこN番煎じと呼ばれやすいジャンルである。
「Dr.シュガー。知育菓子はこれで良いんですね」
「ああ。最初は練って楽しい系も考えたが、それだけではお前の人間離れした活躍を見せるにはやや芸がないからな。成形するタイプの知育菓子の方が良いだろう」
動画配信用のライトやカメラ、マイク付きヘッドホンなどの調子を確認しつつ、白はフランを椅子に座らせる。初放送は生でやろうという彼女の言葉に、フランは逆らわなかった。こう言った場合録画の方が間違いが起きにくいとは分かっているが、白がやりたがっていることならば何でもやらせるべきだろう。
「よし、此方の準備はOKだ。フランは?」
「OKです、Dr.シュガー。それでは配信を始めますので、貴方は別室にて待機してください。恋人配信としてならば、貴方の声が入っていても良いのでしょうが」
フランがそんな告白をしてみると、白はきょとんと目を丸くし、それから「ひひひ」と笑い声をあげた。笑われると思っていなかったフランが目を丸くしていると、白はまだ笑い声を零しながら言った。
「お前にそういったジョークの才能があるとはな。これは動画のトーク面でも期待できそうだ」
「Dr.シュガー。私はジョークで言ったわけでは」
「分かった、分かった。ひひひ、私と恋人配信だなんて、悪趣味にもほどがある。まぁ、美男子と野獣的な物語としてはウケると思うが」
白はそう独り言を言い、自分の言葉にまた笑いながら別室に向かった。
(Dr.シュガー。貴方はもしかして本気で、自分自身を醜いと思っておられるのですか?)
フランはそんな彼女の後ろ姿を見て不満に思いながらも、彼女の夢を叶える為に生放送のページに向かいボタンをクリックした。
「……はい、初めまして。人造人間フランくんの動画配信チャンネルです。初めての経験ですので、皆さんには優しくご教授いただければ幸いです」
こうしてフランの動画は始まった。
「Dr.シュガー。知育菓子はこれで良いんですね」
「ああ。最初は練って楽しい系も考えたが、それだけではお前の人間離れした活躍を見せるにはやや芸がないからな。成形するタイプの知育菓子の方が良いだろう」
動画配信用のライトやカメラ、マイク付きヘッドホンなどの調子を確認しつつ、白はフランを椅子に座らせる。初放送は生でやろうという彼女の言葉に、フランは逆らわなかった。こう言った場合録画の方が間違いが起きにくいとは分かっているが、白がやりたがっていることならば何でもやらせるべきだろう。
「よし、此方の準備はOKだ。フランは?」
「OKです、Dr.シュガー。それでは配信を始めますので、貴方は別室にて待機してください。恋人配信としてならば、貴方の声が入っていても良いのでしょうが」
フランがそんな告白をしてみると、白はきょとんと目を丸くし、それから「ひひひ」と笑い声をあげた。笑われると思っていなかったフランが目を丸くしていると、白はまだ笑い声を零しながら言った。
「お前にそういったジョークの才能があるとはな。これは動画のトーク面でも期待できそうだ」
「Dr.シュガー。私はジョークで言ったわけでは」
「分かった、分かった。ひひひ、私と恋人配信だなんて、悪趣味にもほどがある。まぁ、美男子と野獣的な物語としてはウケると思うが」
白はそう独り言を言い、自分の言葉にまた笑いながら別室に向かった。
(Dr.シュガー。貴方はもしかして本気で、自分自身を醜いと思っておられるのですか?)
フランはそんな彼女の後ろ姿を見て不満に思いながらも、彼女の夢を叶える為に生放送のページに向かいボタンをクリックした。
「……はい、初めまして。人造人間フランくんの動画配信チャンネルです。初めての経験ですので、皆さんには優しくご教授いただければ幸いです」
こうしてフランの動画は始まった。