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時給制ラヴァーズ

第7章 7.ヴァージンペーパー

 今までその先をしてもキスをしなかったのは、あくまで『ふり』の恋人同士だったから。
 それを今したのはそういうことでしょ、とわかりやすく示したつもりだったんだけど、どうやら慶人にはそれ以上の効果を与えてしまったらしい。

「あ、ちょっ……ん、んん……っ」

 抱き締められて、それはそれは濃厚な口づけを与えられる。
 そのまま少々強引に舌が潜り込んできて、絡められたかと思ったら何度もついばむようなキスもされた。とにかくやたらと音がエロく響いている。

「はぁ……まって、息……んっ、ぅ、ん」

 こうなってわかったことだけど、慶人って、思ってたよりもだいぶエロいのかもしれない。いや、それともキス魔なんだろうか。
 今までしていなかった分なのか、唇が熱くなるまで散々キスすると、今度は鼻とか頬とか耳とかに唇が移ってきた。
 慶人の吐息がずいぶん熱っぽくなっている。普段のクールさはすっかり鳴りを潜めて、ただただエロかっこいい男になった。
 このギャップも、慶人の魅力の一つだと思う。

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