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時給制ラヴァーズ

第7章 7.ヴァージンペーパー

「……あ、そっか。本当の恋人ならここで嫌って言ってもいいんだ」
「マジで嫌なんだったらな」
「えー、じゃあずっと言えないじゃん」

 無茶を言わないでくれ卑怯だぞそんなのと肩パンチしてやったら、なぜだか驚いた目で見られた。
 なにその顔。

「お前、マジで変わってるな。でも、そんなとこもすごく好き。可愛い」

 続いて柔らかい笑顔とともにストレートに告られた。
 さっきまでの緊張が解けた分なのか、慶人が妙に饒舌でデレて来るのが気恥ずかしい。もうちょっと普段のクールさを残してくれてもいいんだけど。
 というか、変わってるって言ったら、俺のことを可愛いと言う慶人も相当だと思う。

「可愛いって……慶人、女の子と付き合わなさ過ぎておかしくなってんじゃないの?」
「正直言って、彼女相手にこんなにがっついたこと、今まで一度もない」
「そんなこと自信持って言われても」
「真実なんだからしょうがないだろ。ていうか、そっちは?」
「え?」
「お前の気持ち、ちゃんと聞いてない。聞きたいから、言って」

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