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時給制ラヴァーズ

第3章 3.うそつきデートの行方

「わーごめん。荷物置いてく系だった。どうする? 抜ける?」

 そこには予想外に荷物を置く棚が設置されていた。
 ということは、肝心のカメラを置いていかないといけないということだ。
 つまり、さっきのお化け屋敷同様、今は乗る意味がないということになる。

「……乗る。ここまで来たんだし」

 それでも慶人はそう言い張って、いっそ真顔とでも言うくらいの固まった顔でコースターに乗り込んだ。
 こんなところで男気出さなくてもいいのに。とは思ったけど、慶人が決めたことなら俺は従うだけだと隣に腰を下ろす。

 慶人って意外と頑固なのかな。っていうのも、俺にとっては新しい発見だ。
 それと、もう一つ大事な発見。

 
 慶人はジェットコースターが、すごく苦手。

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