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時給制ラヴァーズ

第3章 3.うそつきデートの行方

「大丈夫そう?」
「平気だって。ちょっと目が回っただけ」

 ありがとうとアイスコーヒーの方のカップを受け取って、一口にしては多めに飲み込んだ慶人は、大きく息を吐いてから俺を見て微笑んだ。
 照れくさそうな笑い方はまだ少し疲れた感じだけど、ちょっとだけ顔色が戻っている。

「カッコワルイとこ見せちゃったな」
「や、ないない」

 髪を掻き上げ、そのまま気まずそうに頭を掻く慶人に、手を振って答えた。
 なんか驚いた顔してるけど、自分がかっこいい自覚がないんだろうか。

「は?」
「慶人にカッコ悪いとこなんてないでしょ」

 当然のことを言わせないでほしい。むしろこれぐらいでカッコ悪くてたまるか。

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