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時給制ラヴァーズ

第3章 3.うそつきデートの行方

 慌てて指を引っ込めると、後は平謝り。
 本当に付き合っているのなら、その指を自分で咥えてしまっても良かったのかもしれない。というかある意味そうするのが普通だった。
 でもふりだけの俺がそれをするのは違う気がして、だったら本人に舐めてもらった方がいいのかなと深く考える前に行動してしまった。

 幸い誰にも見られはしなかったけど、恥ずかしい真似をしたことには変わりない。
 そもそも普通に拭けばよかっただけなのに、なにをしているんだ俺は。

「あ、えっと、えーっと、あ、しかも間接キスになっちゃった。ごめんね?」

 今自分のクリームを取って舐めた指を慶人の口に突っ込んでしまった。申し訳ないことをしてしまった。
 だったらいっそ吹っ切れてわかりやすい恋人ごっこをしていた方がまだマシだったかもしれない。

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