時給制ラヴァーズ
第1章 1.冗談ではないらしい
「結婚? 彼女に?」
「いや、親に。なんなら孫を望まれてる」
「はあ……まあ、親としたらしょうがないのかな。ちょっと早い気もするけど」
「でも俺は結婚なんかする気ないし、そういうのは煩わしいとさえ思ってるんだ」
硬い表情で説明をする樫間くんは、元から目付きが鋭いせいで眉をちょっと寄せるだけでかなり恐い。けれどそんな険しい顔をする程、その話が嫌なんだろう。
そりゃ俺たちぐらいの年で結婚するのだって、今の世の中ものすごく早いわけというわけでもない。だけど、やっぱり大学生のうちに結婚して子供をというのは急ぎ過ぎな気がする。
「うちの親は早くに結婚して兄貴を産んでるから、結婚こそ絶対の幸せだと思っているわけ」
「まあ、そういう人もいるよね。それで?」
「いくら俺が興味ないと言っても聞かないし、相手がいないと言うと、彼女を作れとか見合いをしろとかとにかく出会ってみろとうるさくて。かと言って彼女を作れば、じゃあすぐ結婚しろとうるさいからそれも出来ない」
「そりゃ、大変だね……」
自分の意思でなら、結婚したい子供が欲しいっていうのは自由だと思うけど、それをそこまで強制されるとさすがにきついと思う。それだったら思うように誰かと付き合うことも出来ないだろう。
どう見てもモテそうなのに、彼女が出来たら出来たで面倒だなんて、ちょっと可哀想だ。むしろこの状態じゃ彼女を作った所で煩わしさの方が勝ってしまうんだろう。
息子に幸せになってほしいという親の願いもわかるけど、なかなか難儀な話だ。
「いや、親に。なんなら孫を望まれてる」
「はあ……まあ、親としたらしょうがないのかな。ちょっと早い気もするけど」
「でも俺は結婚なんかする気ないし、そういうのは煩わしいとさえ思ってるんだ」
硬い表情で説明をする樫間くんは、元から目付きが鋭いせいで眉をちょっと寄せるだけでかなり恐い。けれどそんな険しい顔をする程、その話が嫌なんだろう。
そりゃ俺たちぐらいの年で結婚するのだって、今の世の中ものすごく早いわけというわけでもない。だけど、やっぱり大学生のうちに結婚して子供をというのは急ぎ過ぎな気がする。
「うちの親は早くに結婚して兄貴を産んでるから、結婚こそ絶対の幸せだと思っているわけ」
「まあ、そういう人もいるよね。それで?」
「いくら俺が興味ないと言っても聞かないし、相手がいないと言うと、彼女を作れとか見合いをしろとかとにかく出会ってみろとうるさくて。かと言って彼女を作れば、じゃあすぐ結婚しろとうるさいからそれも出来ない」
「そりゃ、大変だね……」
自分の意思でなら、結婚したい子供が欲しいっていうのは自由だと思うけど、それをそこまで強制されるとさすがにきついと思う。それだったら思うように誰かと付き合うことも出来ないだろう。
どう見てもモテそうなのに、彼女が出来たら出来たで面倒だなんて、ちょっと可哀想だ。むしろこの状態じゃ彼女を作った所で煩わしさの方が勝ってしまうんだろう。
息子に幸せになってほしいという親の願いもわかるけど、なかなか難儀な話だ。