時給制ラヴァーズ
第5章 5.一歩進んで二歩下がる
「慶人さん」
だからいい加減焦れた俺は正面突破することにした。
生憎と、心理戦みたいなものは苦手だし好きじゃないんだ。
「な、なに」
今日も外でご飯を食べてきて、シャワーを浴びるなり早々と自分の部屋に引っ込んだ慶人。
それを追いかけ、部屋に踏み込んだ。
「俺寂しいです」
「さ、寂しい?」
そしてそのまま勝手にベッドの上に座る。
そして驚きに固まっている慶人の手元のノートパソコンを閉じると、そのまま脇にどけた。ここまでくればさすがに逃げれまい。
「寂しいよ。せっかく仲良くなったのにこんなすれ違いの生活してて、全然話さないなんて不自然だし。だから、バイトの話がなくなって、俺がいらなくなったのなら追い出してほしい」
「……追い出さないって。新しいところが見つかって出ていきたいって言うならそうしたらいいと思うけど」
優しさなのか同情なのか、慶人はこんな状態になっても部屋にいさせてくれる。だからこそ余計歯がゆい。だからこそ俺は普段なら進まない道を進む。
だからいい加減焦れた俺は正面突破することにした。
生憎と、心理戦みたいなものは苦手だし好きじゃないんだ。
「な、なに」
今日も外でご飯を食べてきて、シャワーを浴びるなり早々と自分の部屋に引っ込んだ慶人。
それを追いかけ、部屋に踏み込んだ。
「俺寂しいです」
「さ、寂しい?」
そしてそのまま勝手にベッドの上に座る。
そして驚きに固まっている慶人の手元のノートパソコンを閉じると、そのまま脇にどけた。ここまでくればさすがに逃げれまい。
「寂しいよ。せっかく仲良くなったのにこんなすれ違いの生活してて、全然話さないなんて不自然だし。だから、バイトの話がなくなって、俺がいらなくなったのなら追い出してほしい」
「……追い出さないって。新しいところが見つかって出ていきたいって言うならそうしたらいいと思うけど」
優しさなのか同情なのか、慶人はこんな状態になっても部屋にいさせてくれる。だからこそ余計歯がゆい。だからこそ俺は普段なら進まない道を進む。