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ミニチュア・ガーデン

第4章 幸せへの崩壊

 公務に勤しむガルクは、その日から今まで以上に精力的に活動した。
 手当り次第に柔肌を求める事はなくなり、代わりに貧しい人達に手を差し伸べるようになった。政治家達からは人気取りだの言われたが、ガルクにはどうでも良かった。ただ、路上生活している人々が、世間から疎まれてうずくまっていた彼を思い起こさせたから、手を差し伸べただけだった。感謝に涙を流す姿が、クウラだけでは埋められない空洞を暖かくしてくれた。

 クウラとは多くは言葉を交わさなかった。
 言葉よりも、重ねる肌がより錯覚させてくれると、ガルクは知っていた。
 泡立ち、糸を引く精液に塗れたいやらしい性器が、二人の関係を何よりも語る。それ以上でも、それ以下でもない関係。同じ意味ではあるが、愛人と言うよりは情婦と言う方がしっくり来る関係。
 自室でも、用意された部屋でも、ガルクが眠る部屋には必ず彼女が居て、当然の様にキスをして裸で抱き合う。
 セックスの回数は彼女に会ってから少しずつ減少した。ひっきりなしに彼女を求める日もあったが、一月もすると、週に数回程度だった。
 それでも、眠る時は濃厚な口付けを交わし、肌を重ねた。時に、一晩中彼女を抱き締めた。

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