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時給制ラヴァーズその後の短編

第1章 短冊に想いを込めて

「大好きな人をもっと喜ばせられますように」

 緑色の短冊に書かれた、書いた人の性格が見える少し硬い字。
 名前は書いていないけれど、それを書く真剣な表情は不思議と自然に浮かんできたから、それを写真に撮って、「もしかして……?」というスタンプと一緒に送ってみる。
 すると反応はすぐにあった。というか既読になるとほぼ同時に電話がかかってきた。

『なんでわかった』

 そして第一声がこれ。その驚き方からして、俺は見事に正解を引いたらしい。

「やっぱこれ慶人が書いたやつ? なんかぱっと目に付いて、慶人の字に似てるなーって」
『……』
「見つけちゃダメだった?」

 まさか見つけられるとは思っていなかったのか、重い沈黙が返ってきて少し焦る。
 ただ、その沈黙は悪い意味ではないようだった。

『いや……正直、わかられて嬉しいのが半分、見つかって恥ずかしいのが半分でどんな反応していいかわからない』
「ふふふふ、なんだ、見られちゃヤバイ内容なのかなって思った」
『……どういうことだ?』

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