君と優しさはずるい
第14章 副作用
しばらく星菜と部屋でゆっくりしていた
ご飯食べて薬飲んですぐ吸入するのは可哀想だと思って少し時間を置いた
星菜はその間に歯磨きを済ませ静かにテレビを見ていた
ふと時計を見ると20時をすぎていた
そろそろ星菜に吸入させるか
「せな?そろそろ吸入しよっか。せな〜?」
俺が呼んでも反応が薄い。熱が上がったか?
俺は急いで星菜の額に手を当てた
ん〜元から熱あったからな…そんなに上がってないかな。これただ寝てるだけな気もするけど
俺は体温計を星菜の脇にはさんだ
ピピッ
37.8
まぁ上がったけど高熱ではなかった。星菜起こすか
「せな〜、起きて?せな〜」
俺が少し肩をぽんぽんとして起こした
「ん〜なに?…もう少しねる……」
はぁ……
俺はため息をついた後にとりあえず吸入の準備を済ませた
そして星菜を無理やり起こして自分の膝の上に座らせた
「せっかく寝てたのに!これやだ…寝起き早々とか最悪なんですけど」
星菜はやりたくないなどと駄々をこねはじめた
「起こしてごめんね。嫌でもやるの。ほら頑張れ」
俺は星菜の両腕を片手で抑えて吸入器のマスクを星菜の口に当てた
そしてそのままスタートボタンを押した